ポンコツでも丁寧に暮らせますか?

丁寧な暮らしをまだ諦めない、ガサツでポンコツな母ちゃんの日記

85歳と黒糖と。

こんばんは。ねぎです。

 

花の金曜日、少しほっとした時間を過ごしたくてセブンイレブンのカフェラテとフィナンシェを買ったのに、食べることもなく21時半から7歳の娘と(私の)バトルが勃発し、こんなはずでは、と思っている夜です。22時を回って、仲直りしました。35歳、修行が足りない。

 


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(木曜日の朝ごはんに焼いたおからパウダー入りのVeganパンケーキ。黒糖の写真でもなければ、セブンイレブンで買ったものの写真でもないという。)

 

 

今日、仕事で85歳のご婦人の窓口対応をした。

「新築を建てたのに旦那さんが施設に入り、子供も居ない方なので一人で寂しいだろう。」と、彼女のことを知る同僚が話すのを背中で聞きながら、窓口へ向かった。

 

パソコン操作のいる手続きのため、パソコンの前に案内する。曲がった背中にゆっくりとした足取り、席に着くまで待ち、私は出来るだけ会話のテンポを合わせながらゆっくり大きめの声で説明を始めた。がしかし、全く伝わらない。

「ごめんなさい。歩いてきたからとても疲れてしまって。」とお疲れの様子。

私はハッとして、少し休まれてから説明しますね、と伝え、給湯室にある黒糖を渡して様子を伺った。

 

黒糖を食べて少し落ち着いたご婦人は、先ほどの私の説明通り、必要な物を揃えて待っていた。ご主人のマイナンバーカード。それが入っているケースには彼とのツーショット写真があった。同僚の言葉が頭をよぎる。

手続きの内容が高齢の方には難しく(マイナポイントの申請)、ご婦人は困ったような表情で聞いていた。「私、85歳なの。これは難しくて。キャッシュレスも使わないし、どうしよう。私ね、一人でこの先どうなるか不安。こないだの台風の後片付けも一人で本当に大変だったのよ。」

 

「いつかね、自分が徘徊するんじゃないかって不安なの。」

 

彼女の寂しさに胸が詰まりそうになった。

高齢の方が理解するのには難しすぎるこの手続きによって、彼女の先の人生の不安を強くしてしまった気がしてならなかった。

 

「何言ってるんですか!ここまで歩いてこれたのなら、この手続き私と一緒に出来たのなら、大丈夫ですよ!うん、大丈夫です!」

 

と、笑顔で見送ったものの、それは私の本音ではなかった。

 

何とも言えない寂しさが残り、そして今も彼女がどうしているか気になって仕方ない。

 

いちいち、そんな事に気持ちが引っ張られてはこの仕事には向かないのかもしれない。が、そんな事に気持ちが揺れる人であり続けたいと思う。