少し気分を変えたくて、コンビニに駆け込んだ日曜日の昼下がり。
生理前で恐ろしい睡魔に見舞われながらも、ぜんっぜん休ませてくれない子供たちに嫌気が差し、娘が間違って持って帰ってきたお友達の算数ドリルを一人で届けに行く。倒れそうなほど眠い。だけど、帰宅したら、モンスター化している娘の宿題を見なければならない。あー静まりたまえ、荒ぶるモンスターよ。
この睡魔と精神状態では、帰宅と同時にモンスターにボコボコに殺られる。
そう感じたので、
「そうだ、盾(カフェラテ)と矛(アルフォート)が必要だ。」
これからの戦いに向けての(精神的)装備を得るために、最寄りの救護施設(コンビニ)に駆け込んだ。
ない。
ない。
思考停止でお菓子コーナーにたたずむ半目。
考えろ。考えるんだ。
チョコか?変わりにチョコで良い。
いや違う。ビスケットだ。
ビスコか?いや、チョコも欲しい。
きのこの山か。たけのこか?ポッキーか?
余りにも眠すぎて、何が正解かわからなくなる。
「すいません、アルフォート無いですか?」
お菓子の品出しを始めた若い女性店員に、戦意喪失した半目が声をかける。
「あー、そーですね。ちょっと無いみたいですね。」
もう、何度も確認したのに、お互いアルフォートはないと分かっているのに、2人でお菓子の棚を見つめる。しばし、沈黙。(起きてる?)
「やっぱり無いですよね~。でも、いつもはありますよね?アルフォート。アルフォートっていつでもあるわけではないんですね~。そっか。」
「…アルフォートじゃなきゃ、ダメですか?」
それな。
こんなにチョコとビスケットを組み合わせたお菓子あるのにな。
自分でも、代案を一通り考えた。その結果、今、私が欲しているのはアルフォートなんだ。
「え、だってアルフォートは裏切らないじゃない?」
自分で言っときながら、(やかましいわっ!)って心で思った。
若い店員は肯定もせず、否定もせず、そうですか~とやや面倒くさがった。
ただでさえ、若い女の子にとっては30半ばの女性は気を遣う面倒な存在だろうに、睡魔で目が空いてないような状態のそれなんて、さぞ酷かっただろう。
結局、PB商品の安いチョコビスケットを買った。
妥協したと思いながら、目を覚まさせるために急いで頬張る。
え、すごく美味しいんだけど。
やかましいわ。
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